佐紀と雅が恋人だったら? 2話

※続きというか途中から視点が変わります。

  • イントロダクション 2

髪をかき上げられて夢うつつの状態だった。

そっか ミヤが来てたんだっけ あ〜 なにか歌が聴こえる

雅はMDを聞きながら 「恋してる時はいつも」を口ずさんでいた。
アンコールのラストに歌う曲。
MDを聞いていたんだと眠い頭で理解した。 佐紀はそのまま雅の歌を聴いていた。
疲労感と心地の良い声に再び夢の中に堕ちそうになっていた。
間奏部分、コンサートでは長く取られていて、MCを一人一人するようになっていたとぼんやり思い出していた。


頬に何かが触れた。あたたかくて気持ちがいい。
2コーラス目が終わり、間奏部分になって、なにか雅が言っていた。
でも何を言っているか良くはわからなかった



最後の一言以外は




佐紀ちゃんのことが…好きです━



寝ぼけた頭でもこの言葉だけははっきり分かった。




ドキドキした 


静かな部屋 ミヤの歌声と私の心臓の音しか聞こえない
どうしよう ドキドキが止まらない ミヤに心臓の音聞こえちゃうよ



寝返りをうつフリをして雅に背を向ける佐紀。



嬉しい・・・ でも・・・  どうしていいか分からない
告白されたのかな? 友達として好きなの?
なんだかよく分からない・・・
  でも・・・ずっとドキドキが止まらない  苦しい・・・



佐紀は早く誰かが夕飯の支度ができたのを知らせに来ることを願った。
時間の感覚が分からない。
どれだけの時間がたっただろう?もう限界。


と思ったそのとき、廊下の方から
「佐紀ちゃーーーーん、ご飯だよーーー。」と茉麻の声がしてドアが開いた。
「あれ、ミヤいたの?」
「うん、佐紀ちゃんに話があったんだけど、ねぇ。」
と佐紀を見た。
「みんな待ってるから早く行こ。」
「先に行ってて、佐紀ちゃん起こしてから行くから。」
「分かった 早く来ないと全部食べちゃうぞ。」
と笑いながら茉麻は部屋を出て行った。


佐紀ちゃん起きて、ご飯できたって。みんな待ってるよ。」
佐紀を揺すった。


まだバレてない 自然に自然に 


心の中で何度も何度も繰り返した。


「んんn ミヤ、おはよ...。」
「みんな待ってるから行こ。」
「顔洗ってから行くから 先 行ってて。」
「分かった、じゃあ先行ってるね。」 
雅は部屋を出て行った。


洗面台に立つ佐紀。 胸に手を当ててみた。 まだドキドキしている。
少し背伸びして鏡に映る自分の顔を見つめた。
頬が少し赤かった。
どうしよう ミヤに気付かれていたら
後ろを振り返り、さっきまで眠っていた部屋を見た。
部屋には夕陽が射していた。
大丈夫 気が付かなかったよね? ミヤもいつもどおりだったし 
だいじょうぶ・・・ ダイジョウブ・・・
そう言って、冷たい水で顔を洗って、大きく一つ息を吐いた。