私たちと彼女の話

私たちは数時間後に卒業式を迎えます。
昨日、彼女は卒業式に出られないと言って寂しそうに笑いました。
少し、私たちの思い出話に付き合っていただけますか?

彼女は3年の1学期を1週間してから始めて教室に入ってきた。色々と事情があって転入の手続きが間に合わなかったと後で聞いた、言うなれば転校生だった。その子を見て教室は俄かにざわめき出した。私たちの世代だったらたいていは知っているその子の顔、最初は似ているだけだろうと思ったら本人だったので尚更でした。担任はもちろんその辺のことを注意してはいたけど、自分のクラスに有名人がいると云う事は思いのほか、クラスメイトを浮き足立たせてました。
彼女は肩をすぼめる様に指定された席につきました。私たちの教室は窓側が校庭に面していて、さらに言うと私の席は窓際の一番後ろ、彼女の席は隣の列の後ろから2番目。
そんな彼女はもちろん浮いていたし、どこからかウチのクラスに芸能人がいるということが広まって休み時間中黒山の人だかりになってしまいました。その様子が彼女をさらに肩身が狭い思いをさせているようでした。見に来た人たちの気持ちは分からなくもないけど、ちょっと可哀相になりました。結局、彼女を遠巻きに見ているだけで、誰一人声を掛ける人もいないまま午前中の授業が終りました。みんなが昼食の用意で慌ただしくなる中で、彼女の周りはやっぱりどこか雰囲気が違う空気が流れていました。それは芸能人だからって云う空気感ではなく、自分たちとは違うという異物感でした。
元々おせっかいな私はそんな彼女を見ていられず一緒にお昼でもどうかな?と誘いましたけど、これから仕事があるからといって申し訳なさそうな顔をして帰っていきました。
それから彼女は2日、学校には来ませんでした。

続く(?

軽い解説とか。見たい人だけ反転して見て。

特にモデルとかいませんので、好きな人を想像して下さい。最初は男の子で書いていたんだけれど、恋愛モノにしたくはなかったので女の子視点で書きました。女の子視点の方がキショくないと思うしね。wテーマは普通であろうとする事。芸能人ってよく分かんないんで、想像で書いてるよ。

特に誰かを想定しているんじゃないので、登場人物も全て名無しでやりたいんだけれど,ちょっと無理そうなのが面倒。

いつも話を考えるのはいいのだが、途中とラストしか考えないので冒頭とかちょー面倒。

まあ、続きを期待する人もいないでしょうから、投げっぱなしでもいいか。w